NPO 法人 日本イーラーニングコンソシアム - 拘束を最小限にして密なコミュニケーションを実現
今回は、特定非営利活動法人 日本イーラーニングコンソシアム(eLC)の事務局次長、秋山様にインタビューさせていただきました。
実業務の傍ら、ボランティア参加する方々で運営している団体における活用
――まず始めに、日本イーラーニングコンソシアムについて教えていただけますか?
1996 年に前身団体である TBT コンソーシアムを立ち上げ、2001 年に NPO 法人化して日本イーラーニングコンソシアムとなりました。
現在、法人正会員が 80 社、準会員が 15 社、その他個人会員がいます。正会員とは e-Learning を提供するベンダーで、準会員はユーザー企業です。
――具体的にはどのような活動をしていらっしゃるのですか?
e-Learning のコンテンツ(学習教材)は LMS(Learning Management System)の上で動くものなのですが、e-Learning が普及を始めた当初は、導入した LMS ベンダー以外の会社が提供するコンテンツは動作しな いことがよくありました。そこで、この問題を解決するために "SCORM標準規格" を日本で普及させようというのが、発足当時のこの団体の大きなミッションのひとつでした。その後、 SCORM認証制度を立ち上げ、第三者機関である eLC が製品の認証を行うことで、市場でのトラブル回避を促進してきました。
――そうなんですか。
また当時の日本には e-Learning に関する情報が不足していたので、海外からの新しい情報を定期的に発信したり、「e- LearningConference」を年に 2 回開催して、e-Learning の最新動向やノウハウの提供をしてきました。また、今年から、「eラーニ ングプロフェッショナル制度」を立ち上げました。これは、e-Learning に関わる人材の育成の制度です。e-Learning に必要なスキルを研修し、資格を認証する制度です。
――活動は多岐に渡っていて、大変深い内容ですね。その活動を支えている方々は大変そうですが?
実際の活動は「委員会」によって行われています。月に1回程度事務局に集まって議論を行っていますが、理事も委員会のメンバーもボランティアですの で、できるだけ時間を拘束せずに密なコミュニケーションをとったり、情報を共有したいと思っていました。そこで情報共有を上手く実現してくれる TeamPage が非常に重要な位置づけになったのです。
――なるほど。TeamPage を使い始めたのはいつ頃からですか?
2005 年 6 月からです。ですから、もう 2 年以上使用していることになりますね。
――TeamPage に出会ったきっかけはどのようなことからですか?
先ほどお話したように、理事や委員の時間をできるだけ拘束しないようにコミュニケーションしたいと思っていたところ、コンソーシアムのメンバーであるアプライドナレッジ社の小島さんに TeamPage をご紹介いただきました。
――その形ですとどうしても返事を書かなくてはなりませんから、きっかけ作りにいい方法ですね。ところで、現在はどのように TeamPage をお使いになっているのか教えていただけますか?
理事会や委員会毎に 15 個のプロジェクトを使用していますが、意見交換、決済、会議の出欠確認、イベント準備の進捗報告をしています。あと、ファイル管理でも使用しています。
――多岐に渡る使い方ですね。
例えば、イベント準備では、定期的なミーティング以外にも各担当者が進捗状況を報告し、全メンバーが情報を共有するために使っています。セミナー講師の承諾状況や、・後援・協賛団体の承諾状況、事務局からは集客状況や運営面の進捗を報告します。
――私も経験しましたが、イベント準備にはとても使えますよね。
TeamPage で、これは、という機能はありますか?
段落コメントの機能ですね。普通のブログでは記事単位でしかコメントが付けられませんが、TeamPage では記事内の段落単位でコメントが入れられるので使いやすいし、大変分かりやすいと思います。
――些細なことに思えるのですが、分かりやすく、伝えることができる機能ですね。
そこが一般的なブログと TeamPage の大きな違いだと思います。あとは各プロジェクトのファイル管理にも活用しています。この団体はボランティア的な性格を持っているので、参画されている各企業の担当者が時々変わりま す。以前は毎回、これまでの経緯や活動内容を説明しなければならなかったのですが、TeamPage を導入してからは過去の履歴をすべて見てもらえるの で、新しいメンバーに実際にTeamPage を見てもらって内容を引き継いでいます。
――共有の場所にファイルや、やり取りの記録があることで引継ぎは本当に楽になりますよね。
稟議にも TeamPage を活用
あと、理事会では稟議にも使っているんですよ。
――それは初めて聞く使い方です。TeamPage で稟議をまわすんですか?
そうです。稟議事項の記事に対してコメントする形で承認をもらいます。事務局から「認証いただけるようであればお願いします」という問いかけに対 し、各理事から「認証します」というコメントが記入されます。また、記事の投稿時やコメントが付くと、そのプロジェクトのメンバー全員にTeamPage から自動でメールが配信される仕組みになっていますので、これがリマインド効果につながるというメリットもあります。
――なるほど、良い使い方ですね。TeamPage ではコメントや投稿した個人が特定できますからその良さを生かしているのですね。でも、これだけで正式な認証として扱っているのですか?紙ベースで行っていらっしゃることはないのですか?
紙は使わないんです。定例の理事会は 3 ヶ月に 1 回開催されていますので、その間にもスピーディに対応できるように TeamPage を使っています。TeamPage による承認事項は、次の理事会で必ず確認して、議事録に残すようにしています。
――うちの会社にも紹介したいくらいですね(笑)様々な形で TeamPage をお使いになっているようですが、2 年間ご使用されて率直な感想を教えてください。
実際やってみると、活性化しているプロジェクトとそうでないプロジェクトがあります。使っていないところは相変わらずメールベースでやりとりを行っ ています。ただ、TeamPage の良さが分かってきて、使えば使う程、ここに集約してきて離れられなくなります。事務局としても、情報が TeamPage 内で一元管理されていると、非常に便利ですね。そういう意味でも欠かせない存在になっていますので、これからも継続的に使っていきたいと 思います。
――ありがとうございました。最後に今後はどのように TeamPage を使っていきたいと思っていらっしゃいますか?
まだまだ、TeamPage の機能の一部しか使えていないと思います。おもしろい事例や、こういう機能、こういう使い方があるという事を教えていただけるとより良い使い方が考えられるかなと思います。
――そうですね。TeamPage は幅広い使い方があるので、今後継続的にお客様へインタビューさせていただき、新しい使い方などを積極的に情報発信したいと思います。本日はどうもありがとうございました。
インタビュー後の感想:NPO のような団体では、多くの方がボランティアで、あるいはボランティア的に活動されていらっしゃって、いわゆる本業に影響しない範囲でいかに時間をやりくりして、NPO 活動を進めるのかがポイントのように思いました。
特定非営利活動法人 日本イーラーニングコンソシアム elc.or.jp/
インタビュアー:株式会社エス・イー・ラボ(現 ネオアクシス株式会社)
取材日:2007 年 12 月